法律相談(相続・遺産分割)

相続・遺産分割について

相続においては事前に専門家に相談して対策を取っておくことが最重要です。これについては遺言・成年後見のページを参照ください。

遺産分割は、相続人が複数いる場合に、お互いの話し合いによってどの相続人がどの遺産を、どのくらい相続するのかを決めることです。法定相続分は明確に決まっていますが、相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なった遺産の分け方をすることができます。相続が発生した場合、相続人が誰であるかの調査をします。具体的には被相続人の出生から死亡までの戸籍を全て取り寄せることで調査します。必要があれば、相続人の戸籍も取り寄せて確認します。遺産分割協議では複数の相続人がいる場合に遺産相続紛争が生じてしまうことが多く、争族と言われるようなことも起きてしまいます。土地などの分割はそれだけ難しいということだと言えます。

相続とは

相続とは、人が亡くなったときに発生し、被相続人の財産はその瞬間に相続人へ引き継がれます。亡くなった人のことを被相続人と呼び、遺産を引継ぐ人を相続人と言い呼びます。引き継ぐ財産は相続財産といいます。相続人の対象は、被相続人の配偶者と子供、直系尊属、被相続人の兄弟姉妹になります。

相続財産とは

相続財産として、現金や不動産などがすぐに思いつくかもしれませんが、現金や不動産だけでなく、自動車、預貯金、株式、社債なども対象となります。また、このようなプラスの財産だけなく、借金や損害賠償責任などのマイナスの財産も相続されることになります。仏壇、位牌、お墓、恩給請求権、生活保護受給権などは相続の対象とはなりません。

相続人と法定相続分

相続人になる人は配偶者のほかに次の方です。

1.子 2.父母・祖父母 3.兄弟姉妹

2の父母・祖父母を直系尊属と言いますが、父と母が故人の場合には、祖父母が相続人になります。直系尊属は直系卑属がいない時になれる相続人です。3の兄弟姉妹は被相続人の直系卑属と直系尊属がいない時になれる相続人です。

相続人の中に行方不明の方がいる場合、消息を絶ってから7年が経過していれば家庭裁判所から失踪宣告を受けて、亡くなったとみなすことができます。

法定相続分

配偶者と子がいるケース 配偶者が1/2、子が1/2
配偶者と父母がいるケース 配偶者が2/3、父母が1/3
配偶者のみのケース 配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4

被相続人

配偶者(常に相続人)

第1順位(直系卑属)

子・孫・ひ孫

第2順位(直系尊属)

祖父母・父・母

第3順位

兄弟姉妹・おい・めい

※第2順位は第1順位がいない場合のみ相続できます。

※第3順位は第1・第2順位がいない場合のみ相続できます。

遺産分割の流れ

被相続人の死亡

死亡届の提出

相続財産の調査

遺言書の有無の確認

有→遺言書による遺産分割

無→遺産分割協議

成立→遺産分割協議書作成

不成立→調停

成立:調停調書

不成立:裁判

遺言書があれば遺言どおりに分けます。このことを指定分割と言います。ただし、遺留分制度はあります。

遺産分割協議書

被相続人が遺言により、遺産分割の方法を指定していない場合は、相続人全員で遺産の分割方法を話し合います。

このことが遺産分割協議ですが、協議で分割方法が確定しましたら、それに基づき文書として残すため遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書の作成に関して法律上の義務はありませんが、作成しておくことで言った、言わないなど口約束による紛争を予防できます。また、財産の名義変更手続きに必要になる場合がありますので、作成しておく方がよいでしょう。また正確な遺産分割協議書の作成には弁護士に相談されることをお勧めいたします。

遺産分割調停と審判

相続手続きの流れでは、通常は相続人全員で遺産分割協議を行ないます。ここでまとまれば問題ないのですが、分割方法を確定することが難しいケースがあります。このような場合に家庭裁判所に申し立てて、判断を仰ぐことが可能です。この手続きには調停と審判があります。調停を行なわずに初めから審判の申し立てを行なうこともできますが、裁判所の職権で調停手続きにされるのが通常で、まず調停を行い不成立となった場合には、自動的に遺産分割審判に移行することが原則で、改めて申立てしなくても審判手続きに移行します。調停が話し合いの場を作るのに対して、審判は裁判所が決定を下す場となりますので、審判で家庭裁判所が出した審判書には、強制力があり、相続人同士での合意ができない場合も審判には従わなければなりません。審判に不服がある場合は高等裁判所に2週間以内に即時抗告の手続きを行い、最終的には訴訟になります。全員が抗告をしなかった場合はその審判が確定します。

相続問題と弁護士

相続問題には法律問題が深く関わってきますので、まず、依頼者は弁護士から法的なアドバイスを受けることにより知識不足・理解不足による不利益回避が可能です。また、弁護士は、その他の専門家と違い相続に関わる法律事務すべてについて業務とすることが可能で、紛争解決経験を活かし、常にトラブルになった時のことを想定して行動します。弁護士は依頼者の代理人として、相手方との交渉をすることが可能です。

相続(こんなことはございませんか)

  • 遺産のことで揉めている。
  • 土地や不動産などの遺産分割で分割方法が決まらない。
  • 土地の移転登記に同意が得られない。
  • 遺言書の真偽があやしい。
  • 遺言書がある訳ではないが、遺産分割が不公平になりそうだ。
  • 遺留分減殺請求権について相談したい。
  • 他の相続人の代理人の弁護士から連絡がきた。
  • 遺産分割協議書作成について相談した上で作成したい。
  • 遺産を把握できないので、遺産調査の相談をしたい。
  • 他の兄弟は、多額の援助を受けたが、自分は全く援助を受けていないので特別受益につて知っておきたい。
  • 長期に及び介護をしてきたので、寄与分について知っておきたい。
  • 遺産分割調停・遺産分割審判について知っておきたい。
  • 亡くなった後に大きな借金があることが分かった。
  • マイナスの財産のほうが明らかに多いので相続放棄をしたい。
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