親告罪
親告罪とは、告訴がない限り公訴を提起することができない犯罪のことである。親告罪の場合、告訴がなければ被疑者は裁判にかけられない。
犯罪の被害者等が、警察などの捜査機関に対し犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることを告訴という。被害者が告訴を取り下げた場合、裁判にかけられることはなく、処罰されることはない。裁判手続に進む前に告訴を取り下げてもらうように被害者と示談交渉をする場合は、加害者が直接交渉するのは困難が予測されるため、弁護人が被害者との交渉を行うのが一般的である。
親告罪には、被害が軽微なため親告罪とされているものと被害は重大だが、被害者の意思を尊重するために親告罪とされているものがある。
被害が軽微なため親告罪とされてるもの
- 器物損壊罪
- 過失傷害罪
被害は重大であるが被害者の意思を尊重するために親告罪とされているもの
- 名誉毀損罪
- 強制わいせつ罪
- 強姦罪
性犯罪については、事件が公になることにより被害者がプライバシーを侵害され、不利益を被るおそれがあることから親告罪とされている。
また、親族間の窃盗罪や詐欺罪も親族間の犯罪については、親族間の問題への介入はできる限り抑えるべきであることから親告罪とされている。